恋愛依存症という言葉が広まっていったのは、1975年にスタントン・ピールとアーチー・ブロドスキーが『Love and Addiction』というタイトルの本を出してからであると言われています。
彼らはあるタイプの恋愛は依存症の一形態として認められうること、また特に深刻なケースでは、そのような恋愛が依存性のある薬物の使用よりも時には大きな危険をはらんでいることを示唆したのです。
しかしながら、恋愛依存症の定義や用語使用については、いまだに明確でなく、統一されていないのが現状です。恋愛依存症は@共依存A回避依存Bロマンス依存Cセックス依存の4つのタイプに分ける事ができます。各タイプの行動的特徴、行動の裏にある深層心理には、多少の、時には大きな差異があるものの、「愛に取り憑かれている」という大きな共通点が存在します。
次に恋愛依存症に陥っている人のさまざまな特徴を列挙してみます。あなたはいくつ当てはまるでしょうか?自分にあてはまる数を数えてみてください。
○「あの人がいなければ私は何もできない」と思ったことがある。
○「あの人なしでは、私は生きていけない」と思ったことがある。
○寂しさのあまり、つい好きでもない人とデートをしたり、関係を持ってしまったりしたことがある。
○「私の力であの人を変えてみせる!」と思ったことがある。
○多くの友人から「別れた方がいいよ」と言われているのに、どうしても別れられない。
○彼(彼女)の愛が手に入らないなら、何か思いきったことをしてやろうと思った(または、実際にした、そうすると脅した)ことがある。
○友人に「あなたの彼(彼女)ってひどい人ね」と言われたくないがために、彼(彼女)の話題が出るのを必死で避けようとしたり、彼(彼女)のために必死で弁解していることがある。
○セックスをしている瞬間だけが、愛を感じられる時である。
○自分が追いかけるのはいいが、追いかけてくる相手にはまったく魅力を感じない。
○あっという間に恋に陥るが、冷めるのもまたあっという間である。
○特定の人もしくは誰からでもいいから「愛されている」という感じが持てないと、自分の存在価値がすべて消え去っていくように感じる。
○「別れる、別れない」で三カ月以上ももめている。
○つくすのはいつも自分であって、本当のところ、それに見合った愛は相手から得られていないと思う。
○自分の人生を素晴らしいものに変えてくれる誰かが、いつかきっとあらわれると思う。
○誰かに恋をすると、それが生活のすべてになって、他のことはどうでもよくなってしまう。
○自分さえ我慢すれば、この愛はきっとうまくいくと思う。
○愛すれば愛するほど、同時に憎しみも大きくなっていくことが多い。
○「ケンカ→セックス→仲直り」というパターンが多い。
○誰かから必要とされればされるほど、生きがいを感じられる。
○セックスの後、罪悪感に悩まされることが多い。
○自分は欠点ばかりの人間だが、彼(彼女)といる時だけはそれを忘れられる。
○セックスの後、途端に相手の存在を煩わしく感じるようになる。
○恋愛が三カ月以上続いた試しがない。
○「なんで私ばっかりこんなに苦労しなければいけないのか?」と一人で嘆くことが多い。
5つ以上あてはまる項目があるようならば、恋愛依存症である傾向(または恋愛依存症に陥る潜在的傾向)はかなり強く、3つ以上であればその傾向はやや強いと言えます。ただし、すべての質問に「No」というのではない限り、あなたにも恋愛依存症に陥る危険性は十分にあると考えてもらいたいです。
共依存
共依存を理解するためには、アルコール依存症者とそのまわりの人たちの関係を見てみるとわかりやすいと思います。たとえば、夫・妻・息子という三人の家族があり、夫がアルコール依存症だとします。その場合、夫がアルコール依存症であるがゆえの、妻や息子への悪影響というのは容易に想像できると思います。よくあるパターンとしては、酒を飲むと暴れだしたり(身体的暴力)、仕事を休んだりさぼったり(それゆえ、経済状態が苦しくなる)、夫・父親として当然与えるべき愛情を与えない(家庭における精神的緊張状態や精神的虐待につながる)などがあります。要するにまわりにいる人たちは何らかの害を受けるのです。たとえ離婚などで物理的に離れても、精神的な傷は長期間にわたって残ることになり、子供の場� ��には一生それが尾を引くことになったりします。家族の中にアルコール依存症者が出ると、その影響は少なくとも三代にわたると考える研究者もいるほどです。
この場合、誰が悪者なのかは非常にわかりやすいと思います。悪いのはアルコール依存症者であって、周囲や自分自身を害しながら酒を飲むことをやめられないその人が問題なのです。ですが、ここで立ち止まって考えてみて下さい。とにかくお酒を飲み続け、お酒を飲んでいない時はお酒を飲むことばかりを考えているはずの人間が、どうやって一人で生活していくことができるのでしょうか?
仕事をまともにこなせるはずもないのにどこから酒代や生活費を調達しているのか考えてみて下さい。また、掃除、洗濯、食事などの日常的なことも、自分一人ではまともにできないのではないでしょうか?
そうです。あなたはもうお気づきだと思いますが、アルコール依存症者のまわりには、その人がアルコール依存を続けることを可能にしている人がいるのです。
夫はアルコール依存症で、一日中家でお酒ばかりを飲んでいて、仕方がないから、妻が働きに出て、家計を支えます。妻は夫がしらふの時に「お願いだから、お酒をやめて働いて」と懇願すると、夫は「わかった。そうするよ」というように一時的には言います。しかし、仕事から帰ってくればいつもの通りよっぱらっていて、「酒を買って来い!」と怒鳴られ、怖いし、お酒さえ飲ませればおとなしくしてくれるから今日だけは従おうと思ってお酒を買ってきます。そして、翌朝起きるとまた「お願いだから……」というのを繰り返すのです。
もし妻が何から何まで夫の面倒を見ることをやめてしまったらどうなるでしょう。夫はお酒を飲み続けることはできなくなるはずです。要するにアルコール依存症者が周囲にいる人物に依存していて、また周囲にいる人たちも依存を許しているということです。
さらに踏み込んで考えて見ましょう。妻は夫がお酒をやめることを本当に望んでいるのでしょうか?もし本当にやめて欲しいのだとしたら、なぜお酒を飲ませるのでしょうか?また、そんな苦しい状態なのに別れないのでしょうか?どうして改善に向けて何らかの行動を起こさないのでしょうか?
愛しているから・かわいそうだから・怖いから・私さえ我慢すればいいからなど、いくらでも妻は説明をしてくれるかもしれません。しかし、妻も夫に依存しているのです。「依存している」というのを「必要としている」という言葉に置き換えてみるとわかりやすいと思います。アルコール依存症者が周囲の人物に依存しているのではなく、互いに依存しあっている。この関係こそが、共依存なのです。
共依存関係にある人たちは、親と子の関係で固定されています。先ほどの場合は、妻が「面倒を見てあげる」親で、夫は「面倒を見てもらう」子供です。二人はこの関係で安定しているのです。
共依存関係にある二人は、このパターンが居心地いいというよりも、このパターンでなければ精神的な安定が得られない状態になっています。もしも夫が奇跡的にお酒をやめるようなことになったら、この安定した関係は崩れてしまいます。そうすると、信じられないかもしれませんが、妻は途端に夫に興味を失ってしまうか、もしくは夫が再びアルコール依存に陥るように行動してしまうのです。極端なことを言えば、「あなた、最近がんばってるからたまには好きなだけお酒を飲みましょうよ」というようなことを言うのです。何とか昔の安定した関係を取り戻そうと妻の無意識の中にある強い欲求がそうさせるのです。
上に書いたことは恋愛に関しても当てはまります。共依存では、はたから見た場合の「加害者」と「被 害者」が、実は心の奥底ではお互いが、お互いを必要としているのです。そのことに気づけたならあなたはきっと回復の道に進むことができるでしょう。
次にあげるのは共依存を見抜くためのチェックポイントです。各項目で三つ以上当てはまるのであれば、あなたもその傾向が強いと言えるでしょう。
【「必要とされる」ことを必要とする】
○手紙、電話、メールなどがこないと、ひどく落ち込んでしまう。もしくは、電話をする約束をされたわけでもないのに向こうから電話がこないと「なんでかけてこないんだ!」と憤りを覚える。
○「自分が相手を好きかどうか」よりも、「相手が自分を好きかどうか」の方により重きを置く。
○「好き」「愛している」「あなたが必要だ」などの台詞に非常に弱い。
○「いつか相手は自分を必要としなくなり、どこかへ去っていくのではないか」というような漠然とした不安に襲われることがある。
○何かと頼み事をされるとうれしくなってしまう。
○相手の悩みや問題が解決されていくのを見ると、表面的には喜んでいるようでも、内心ではがっかりしていることがある。
○孤独に弱く、常に誰かと一緒にいないと不安になってしまう。
この項目に多く当てはまる人は、他人が自分を必要としているのがわかれば、大きな充実感や安心感を覚えます。自分の存在価値が証明されたかのように感じるからです。逆に、他人が自分を必要としているという手がかりがないと、激しく落ち込みます。自分の存在価値が証明されないからです。つまり、自分の存在価値が他人次第になってしまっているのです。
【「救済者」になりたがる】
○「こうした方がいい、ああした方がいい」とついつい人にアドバイスをしてしまう。
○相手が悩んでいるのを見ると、内心うれしくなってしまう。
○他人の世話を焼いているときに、一番充実感を感じる。
○頼まれたわけでもないのに、相手の悩み事に対して「自分が何とかしてあげよう」という使命感にかられる。
○「この人を助けてあげられるのは自分しかいない」と思うことがある。
○自分がしたアドバイスに対して相手が実行してくれなかったり、感謝してくれなかったりするとがっかりする、もしくは憤りを感じる。
○「救うべき人(悩んでいる人)」や「自分のアドバイスを聞いてくれる人」がまわりにいないと、退屈や虚しさを感じてしまう。
この項目に多く当てはまる人は、悩んでいる人や困っている人を自分の力で救いたいとの衝動に駆られます。普通の人にもその欲求はありますが、それが並外れて強いのです。「人助けをすることはいいことだ」というレベルではなく、「人助けをしていないと心の安定が保てない」というレベルなのです。相手を救うことができたときは、とてつもない快感につながり、救うことができないときは、激しく落ち込みます。このタイプの人は恋愛相手として「問題を抱えた人」を選ぶことが多いでしょう。もちろん、救いがいがあるからです。
【相手を放っておけない】
○悩んでいる人、困っている状況にある人を見ると、その人のことが気になって仕方がない。
○相手の問題を、自分の問題としてとらえてしまう。
○他人の問題に深入りしてしまうことが多い。
○自分のことよりも、他人のことを考えている時が多い。
○「あの人は私がいなくてはダメになってしまうだろう」と考えたことがある。
○相手がどうすべきかをわかっているのは、相手自身よりも私の方だと思うことがある。
○相手が今どんな状況にいるか、今日一日どんなことをしていたのかなどが気になって仕方がない。
この項目に多く当てはまる人は、一見すると他利心から出ているようにも見えます。しかし、実は「相手を放っとけない」というのは「相手をコントロールせずにはいられない」ということなのです。つまり、相手がこれからどうやって生きていくかも自分が決めなくてはならないと思ってしまっているのです。しかも、その支配は決して成功することはなく、支配をしようとしている自分が、ふたを開けてみれば結局相手に振り回されているという結果になります。この傾向が強い人は、一度相手を一週間でいいので口出しせずに見守ってみてください。きっと自分自身が不安で仕方なくなってしまうと思います。
【常に自分を後回しにする】
○相手のささいな言動や行動をいちいち気にしてしまう。
○相手が詰まらなさそうにしていたり、機嫌悪そうにしていると、「自分のせいだ」と感じてしまう。
○「どうすれば相手を喜ばせることができるか」ということばかりを考えてしまう
○楽しいことをしていたり、幸せな気分でいると、ふと罪悪感が頭をよぎることが少なくない。
○「自分さえ我慢すればいい」という気持ちから、言いたいことややりたいことを我慢したり、事を荒立てないようにすることが多い。
○ほめられると、やっきになって否定したり、居心地が悪く感じてしまう。
○人前では自分の本音を隠したり、演技をしてしまうことが多い。
この項目に多く当てはまる人は、自分が幸せに罪の意識を持っている人が多いと思います。だから、もし他人を幸せにすることができれば、「特例」として幸せを感じることが許されるのです。互いに譲り合いといったことができず、強迫的に自分よりも相手を優先させてしまうのは、自分で自分のことを無価値な人間だと思っているからです。
【現実を見つめることができない】
○友人たちの多くから「別れた方がいい」と言われても、なかなか別れることができない。
○相手をかばって、周囲に嘘をつくことがある。
○相手に何か問題があることに気づいても、「大したことではない」と自分に言い聞かせる。
○つらさや苦しみがあっても、「愛しているから仕方がない」などと我慢してしまう。
○「本当の彼(彼女)」をわかってあげられるのは、自分だけだと思う。
○「今はつらいけど、そのうちきっと物事はいい方向に進みだすはずだ」と大した根拠もないのに、思いこもうとする。
○自分がもっと努力すれば、事態はきっとよくなっていくと思う。
この項目に多く当てはまる人には、3つのポイントがあります。1つ目は、「否定」です。問題を指摘されても、「そんなことはない」というような否定する発言を繰り返してしまいます。2つ目は、「合理化」です。もっともらしい理由付けをして納得しようとしています。3つ目は、「非現実的な期待感」です。何か偶然や奇跡の力で、物事がよい方向に進むという根拠のない期待感を持ってしまいます。
共依存的恋愛のサイクル
共依存者は以下の恋愛のサイクルを繰り返してしまいます。
1.共依存症者が回避依存症者に惹きつけられる。
2.「熱に犯された」状態になる。
3.「救われた」と感じる
4.より多くを要求するが、満たされない部分も次第に出てくる。
5.自分をごまかすことが難しくなってくる。
6.ひきこもる
7.恋人を取り戻すために、妄想的な考えにとらわれるようになる。
8.妄想が実行に移される。
9.パートナーが戻ってくる、もしくは新しいパートナーを見つけ、1からサイクルを繰り返す。
回復方法
共依存からの回復はとても困難なことです。共依存は、心の中にある「無意識」の領域に書き込まれたプログラムであるため、自分がそうであると気づくことも、どうしてそうなったのかを知ることも難しいからです。
共依存を根本から回復させることは正直難しいことです。とにかく次にあげる三つの言葉を常に頭に入れて、自分自身と戦う武器にして欲しいと思います。
【安定】
家族関係の中で身につけてきた人との関わり方のパターン、自分が唯一知っていて慣れ親しんだ生き方というのがあります。その生き方をしているときあなたはもっとも「安定」できるのです。他人からは「どうして?」と思われるような恋愛でも、あなたには一番安心できる愛の形なのです。
実は、自分自身が辛い恋を望んでいたということを認めるのはとても苦しいことでしょう。しかし、それを認めることから全てが始まります。
【再挑戦】
過去にやり残してきた仕事をやり遂げるために、相手を選んでしまうことがあります。たとえば、母を救えなかった人は母のようにかわいそうな女性、アルコール依存症の父を持った場合は、アルコール依存症の男性などです。それをやり遂げようといつまでも挑戦し続ける人たちは、結局かなわぬことに挑戦し続けてしまっているのです。そのことに気づき新しい一歩を踏み出すことから全てが始まります。
【アッパーリミット】
肯定的エネルギーの増加を制限する心の作用のことを「アッパーリミット」と呼んでいます。簡単に言うと、幸福に耐えられるレベルのことです。共依存症者はこのアッパーリミットが低いのではないかと思われます。幸せは長くは続かないといって、自分からその幸せを壊してしまう人々のことです。「どうせいつかは恋人に捨てられるんだから、こっちから捨ててやろう」などと思うことは顕著な例だと思います。こういう人たちに、なぜ自分は幸せを信じられないのか、なぜ幸せであってはいけないのかを考えてみてもらいたいです。あなたは幸せになっていいのです。「私は幸せになっていい」と自分に何度でも言い聞かせてみてください。自分が幸せになることを、自分が許してあげられるようになることから全てが始まり� ��す。
回避依存症
回避依存症の特徴は「恋人との親密な関係を避ける」というものです。心休まる、温かい愛情に満ちた関係を意図的・非意図的に避けるのです。回避依存症には4つのタイプがあり、「独裁者」「搾取者」「ナルシスト」「脱走者」にわけられます。「独裁者」は支配―服従の権力関係、「搾取者」は損か得かの利害関係、「ナルシスト」は物としてあつかう関係、「脱走者」はあくまで他人としての関係においてのみ、パートナーと結びつくことができるのです。回避依存の傾向は、恋愛だけでなく、家族との関係、友人との関係などあらゆる人間関係でも認められます。
回避依存を理解するためには壁という比喩を使うのがわかりやすいと思います。私たちは自分と他人との間に心理的な境界線である心の壁を作っています。壁は個人差があり、高いものから低いもの、硬いものからやわらかいものというように人それぞれです。私たちは誰もが壁の高さや硬さをうまく調整して人間関係を進めています。
ところが回避依存症者の場合、その壁はあまりに高く、あまりにも硬いのです。ちなみに、共依存症者の場合には、その壁があまりにももろいために、自分とパートナーとの心理的境界線がまったくなくなってしまうところが問題なのです。ようするに、回避依存症者も共依存症者も「適度な壁」をつくることができないのです。
相手(もしくはあなた)に次のような傾向が見られないか、チェックしてください。
【独裁者】
○何でも自分の思い通りにいかないと気がすまない。
○「ああしろ、こうしろ」と命令口調が多い(「こうした方が良い」というように、アドバイスの形になっていることもある。)
○彼(彼女)の意見や行動を少しでも否定するようなことを言うと、急に怒ったり、黙り込んだりする。
○「お前はだめな人間だ」というような意味の発言が多い。
○あなたの行動に常に監視の目を光らせている。
○あなたが何か新しいことを始めようとすると、「やめたほうがいいよ」というようにやめさせようとする。
○「おれ(私)の言うことを聞かないと、大変なことになるよ」というような意味の発言が多い。
○身体的暴力または精神的暴力(あなたの人格を否定するようなことを言う)をすることがある。
○何でも、どんな時でも自分が正しいと思っているようだ。
○何をするにも彼の「許可」が必要だ。
この項目に多く当てはまる人は、常に「正しいのは自分、間違っているのはお前」と思っています。独裁者タイプには2つのパターンがあり、ひとつは「身体的暴力」、もうひとつは「精神的暴力」です。とにかく、自分の思い通りにコントロールしようとします。
【搾取者】
○人にはあれこれと要求してくるくせに、こちらからの要求には耳を貸そうとしない。
○物を頼んでくる時だけは、急にやさしくなる。
○(あなた自身について)「私は利用されているだけなのかも・・・・・・」と不安に思うことがある。
○要求をのんだ時のやさしさ、要求を拒否したときの怒りや不機嫌さ、そのギャップが驚くほど大きい。
○こちらが要求を受け容れるまで、しつこくねちねちと責め続けてくる。
○「子供っぽいわがままさ」が強くあると思う。
この項目に多く当てはまる人は、「利用すること」にもっとも大きな価値を置いています。こちらがどんなにがんばって、要求をのんだとしても、終わることなく次々と要求は突きつけられるのです。しかも、要求をのんだ見返りというのはほとんどなく、こちらが要求をのんで当然ということになってしまいます。
【ナルシスト】
○「少年っぽい」ところがある。
○ちょっとしたきっかけで、手のひらを返したように冷たくなることがある。
○意識的にか無意識的にかわからないが、人の気持ちを傷つけるようなことを平気で言う。
○「理想」へのこだわりが強いように見える。
○ナイーブである。
○人の話を聞くよりも、自分の話をすることを好む。
○「自分は特別な人間だ」というような発言をすることが多い。
○「彼(彼女)の好み」から少しでもはずれたことをすると、不平を言ったり不機嫌になったりする。
○彼(彼女)をほめてくれる人には甘いが、少しでも批判したり欠点を指摘する人は徹底的に攻撃しようとする。
この項目に多く当てはまる人は、「自分は特別な人間である」との感覚ばかりが先にきて、「他者も特別な人間である」ことを認めることができません。だから、物事が自分中心に進まないと気がすまないといったことが起こるのです。どんな人でも恋愛には理想がありますが、ナルシストの場合は、その理想が非常に高く、柔軟性に欠け、しかも相手がその通りにしないと相手を強く非難するのです。こういう人と付き合うと、自分を捨ててでも相手に合わせないといけなくなり、苦労や強迫観念を背負わされることになります。
【脱走者】
○「束縛」を過剰に嫌がる。
○何かを要求すると、「君はわがままだ」というような反応が返ってくることが多い。
○「自由でいたい」という意味の発言をよくする。
○普段(あなたと一緒ではないとき)どんなことをしているか、教えるのを嫌がる。
○一人でいることが好きなようだ。
○あなたが近づこうとすればするほど、彼は遠くに離れていってしまうような気がすることがある。
○悩みや深刻な問題について話そうとすると、話題を変えようとしたり、「面倒だ」というそぶりを見せたり、嫌な顔をしたりする。
この項目に多く当てはまる人は、自由の求め方や束縛の嫌い方が過剰なのです。束縛や自由の喪失を過剰に恐れているからこそ、あらゆるものがそれらの証拠に見えてしまい、「明日会わない?」といわれるだけでも自由がなくなる気がしてしまうのです。このような人たちは突然別れを言い出したりします。
回復方法
もしあなたが、回避依存症であり、それから抜け出したいと考えているなら、もっとも大切なことは「行動を変える」ことです。口で言うのは簡単ですが、行動で示すことは難しいことです。ですから、行動を変える必要があるのです。行動を変えようと意識していれば、時間はかかりますが、少しずつ変えていくことは可能なのです。
次はあなたが回避依存症のパートナーだったときです。次の5つの点について考えてください。そして、別れるのか、このまま我慢するか、改善のための努力をするか決断して欲しいです。
1.いつものパターンでいいのか?
あなたはパートナーといつも同じことを繰り返してしまうのではないでしょうか。「自分は本当に幸せなのか?」と自分自身に問いかけてみてください。答えは簡単にはでないと思います。そして考えるときに大切なのは、「いつかきっと変わってくれる」とか「大した問題じゃない」と合理化してしまわないことです。つらいと思いますが、現実を見つめて自分に問いかけてみてください。
2.どうして引きつけられるのか?
どうして自分が苦しむような相手を選んでしまうのか、必ず理由があります。それを考えて、しっかりと自分のことを認識して自分自身の進む道を選んでください。あなたは自分で選んで今の状況にいます。それは、あなたの意思でいつでも変えることができるのです。
3.まず変わるべきは「相手」か「自分」か?
「相手さえ変わってくれれば」「相手のここが変わってくれれば」というのは、言い訳です。自分にも問題の責任の一端があることを認識してください。あなたが悪いというわけではありません。ただ、相手の思い通りにあなたが動いてしまっているというだけです。だから、あなたの行動パターンを変えれば何かが変わってくるということです。
4.自分をいじめたいのか、幸せにしたいのか?
その人と恋愛をしていることで、自分をいじめているとしか思えない恋愛をしている人は多いと思います。でも、人はみな幸せになりたいのではないでしょうか。怒鳴り散らされない、恐怖に怯えさせられない、搾取されない、行動を規制されない、優しく愛を持って接してもらいたいというのは一人の人間として幸せに暮らすための当然の権利だと思います。もしかしたら、あなたはこのような当たり前の権利を自ら放棄してはいないでしょうか。
5.どこまでなら許せるのか?
相手に対してどこまでなら許せるのか具体的なことを決めることが大切です。そして、もっと重要なことはそれを実行に移すことです。その許容範囲を超えた場合は、別れるとか距離をかなりおくとか実際にすることが必要です。そうしないと、相手からはどうせ口だけだと思われてしまうからです。制限をきちんと決めておけば、今よりも悪化することはまずありません。
ひとつ注意することがあります、共依存症者は自分の力で相手を変えようとしてしまいがちです。同情していると同じことを何度も繰り返すことになってしまいます。そういう点に陥らないように気をつけてください。
ロマンス依存
簡単に言うと「ロマンチックな恋愛」にのみ非常に極端な形で引き寄せられてしまうのです。ロマンスの要素があるかないか、そこが全てなのです。恋愛依存症の他のタイプに比べると、ロマンス依存は他人を苦しめる度合いは、やや軽いでしょう。ですが、もっとも数が多い危険な依存症なのです。あなたにもそういう傾向がないか次の項目をチェックしてみてください。
○友人の恋人を奪いたいと思ったこと、もしくは実際に奪った経験がある。
○すでに恋人がいる人や既婚者を好きになりやすい。
○自分に好意を寄せてくれている人には興味が持てない。
○自分が「追いかけている」うちはいいが、相手が自分を好きになってくれた途端に興味を失ってしまう。
○不倫をしたことがある。
○身分違いの人、外国人など、「自分とは違う世界にいる人」との恋にあこがれる。
○周囲や親の反対、倫理や法律的な問題など、「障害」が大きいほど逆に燃え上がる。
○一目惚れなど、あっという間に恋に落ちることが多い。
○短期間で相手に飽きてしまったり、急激に恋が冷めていくことが多い。
○相手の本当の姿を知って、「裏切られた」ような気持ちになることが多い。
○生身の相手との恋よりも、映画やドラマ、小説などで恋を疑似体験している方が幸せを感じる。
○海、豪華なレストラン、夜景の見えるバー、突然のプレゼントなど、デートには必ず何らかの「うっとりさせるような」要素が含まれていなければならないと思う。
○「手の届かない人」を好きになることが多い。
○いわゆる「いい人」にはまったく興味が持てない。
○まわりの人たちを見て、「つまらない恋愛をしているな」と思うことが多い。
○今の生活に退屈しており、いつかまったく違う世界に行けたらと心密かに願っている。
○ミステリアスな雰囲気を持つ人に惹きつけられやすい。
○先がまったく見えないような恋に憧れる。
○「普通ではない」職業や肩書きに弱い。
一応の目安として、5個以上当てはまれば、ロマンス依存の傾向が強いと言えると思います。
回復方法
ロマンス依存症では、一瞬にして頂点まで駆け上がってしまう分、一瞬にして駆け下りてしまいます。これをゆっくりと一歩ずつ楽しみながら上っていくように変えていけば、恋愛をもっと楽しめるようになると思います。たとえば、毎日会っていたのを週に一回に減らすとか、会う時間を減らし、その空いた時間を自分の時間として有意義に使えるようになることが、まず手始めにやることだと思います。
もうひとつは、恋愛関係ではない「異性の友人」をもっと増やすことです。表面的な関係ではなく、親友と呼べるような親密な関係が築ければなおさら良いと思います。ロマンス依存症の人は、単なる友達でも、その後の交際を敬遠してしまう傾向があります。友達としての付き合いを重ねていくうちに、ロマンス以外にも異性との付き合いには素晴らしい点がたくさんあるということに気づくチャンスを与えてくれます。
この二つは簡単にまとめると、「安らぎの恋愛」を身につけるためのステップなのです。ロマンス依存からの回復のためには、刺激・興奮と安らぎに等しく価値を見出すことができるようになるかどうかが最大の鍵なのです。
セックス依存
「セックスせずにはいられない」と文字で書くと、淫乱な人を想像してしまうかもしれません。しかし、セックス依存症というのは、アルコール依存症者がアルコールを求めてさまよっている状態と同じように考えてもらいたいです。セックスができないと、吐き気がする、立っていられない、物が考えられない、体が震えてくるといった状態にもなるのです。次の項目をチェックしてみてください。
○セックスを得るためなら、たとえそれが嘘でも平気で「愛している」と言える。
○気分が落ち込むと、どうしようもなくセックスがしたくなる。
○性欲を感じているわけではないのに、セックスやマスターベーションをせずにはいられなくなることがある。
○セックスへの衝動が高まると、自分を抑えることができなくなる。
○性犯罪を犯した、もしくはすんでのところで犯しそうになったことがある。
○セックスを終えた瞬間、罪悪感や自己嫌悪感、後悔など嫌な感情に襲われることが多い。
○セックスだけが、異性を求める唯一の動機になっている。
○セックスを得るためなら、ありとあらゆる手段を用いるし、どんな努力でもいとわない。
○初めて相手の女性とのセックスにまで持ち込めた時、「勝ち誇った」感じや、「自分は大した人物だ」という感じを持つことがある。
○初めて出会ったばっかりで、性的関係を持ってしまうことが多い。
○不特定多数との性的関係の経験がある。
○セックスをしている時だけが、唯一「やすらぎ」を感じられる時である。
○セックスをしている時だけが、唯一「生きている」という実感を得られる時である。
○セックスをしている時だけが、唯一「愛されている」という実感を得られる時である。
○セックスをする前、セックスをしている時は相手のことを「愛している」と思えるが、終わった途端にその感情は消え去ってしまう。
○性に関して、「誰も知らない自分だけの秘密」が多い。
○セックスへの衝動に駆られると、リスクやデメリットのことがきれいさっぱり頭から抜け落ちてしまう。
○仕事のことなどでイライラしている時、セックスによってそれを鎮めようとする。
○異性とのコミュニケーションが苦手で、セックスがほとんど唯一のコミュニケーション手段になっている。
○ポルノ商品や風俗などに費やす金額が莫大で、生活を圧迫するほどになっている。
○性的なことが原因で、大きなトラブルに巻き込まれたことがある。
これは誰にでも当てはまるので、程度の問題だと思います。当てはまる項目が多ければ多いほどその傾向が強いと言うことには違いありませんが、安易にセックス依存症だというレッテルは貼らないでください。
回復方法
まずは自分がセックス依存であると認識することが大事です。「セックスのことが自分の心や生活に悪影響を与えている」と認識するだけで大丈夫です。そして、次に助けを求めることです。カウンセリングに行ったり、性の問題を取り扱っているクリニックに行き、専門家と一緒に考えていくのが最初の一歩となるでしょう。また、SA(Sexaholics Anonymous)という自助グループがあります。このようなものを利用するのもひとつの手段だと思います。
自分ひとりでもできる方法はあります。主なものとして次の3つを試してみてください。
【認知的再構成化】
セックスに依存していることを否認・正当化するために現実を歪めて認識してしまう傾向が強いです。そのために、セックス依存の状態から抜け出せなかったり、ますます深みにはまってしまいます。だから、今もっている誤った考え方を変える必要があります。たとえば、「バレなければいい」を「いつかはバレるし、今も周囲や自分を苦しめている」というような認識に変えていきます。普段からこうした新しいパターンを認識していけば、衝動を抑えることができていきます。すぐにとはいきませんが、時間をかけて少しずつ変えていきましょう。
【行動制限】
いきなり止めるのは難しいことです。ですので、少しずつ減らしていけばいいと思います。たとえば、「今日から1ヶ月間だけは、初めて会った人とセックスをしない」「ポルノ商品は1ヶ月に1万円までにする」といったような感じです。いきなり治そうとするのではなく、少しずつレベルをあげて依存状態から抜け出せば、悪化することはないと思います。
【危険な状況の認識と回避】
たとえば、不特定多数との乱交パーティ、非合法的な風俗・ポルノ商品に手を出したり、性犯罪を犯しかねない状況や、見知らぬ人にいきなりついていってしまうなどです。こうしたものには、性病、暴力、犯罪、身の危険などが常にまとわりついています。そういったものが大きな危険性をはらんでいることをしっかりと認識し、初めから回避しなければなりません。セックスへの衝動に駆り立てられたとしても、そういった危険な状況においてその衝動を満たそうとするのではなく、とりあえずはもっと安全な別なやり方で衝動を満たすことを学習しなければならないのです。
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